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先日の「あんもも太郎」、思いがけず沢山の方からLINEをいただきまして嬉しい限りです。
ありがとうございます。
さて、今回はその続き。
もなか&なつめが主役のお話です。
「自分だけ幸福な王子」、はじまりはじまり~!
昔、むかし。
小さな国に、もな王子がいました。
若くして亡くなった王子で、立派なステッキと冠をつけていたため、国民からは「幸福な王子」と呼ばれていました。
そして、そこにはいつも、若干暗い猫なつめが従者のようについていました。
ある日もな像はなつめに尋ねました。
「どうしてこの国には貧しい人がいるもな?」
なつめは答えました。
「チャンスがないのよ、きっと」。
もなか王子は「うーん」と悩み、良いことを思いつきました。
「あの貧しい夫婦に、もなの王冠から金をもっていくもな」
ボロボロの服を着た夫婦が像の前を歩いていくのが見えました。
なつめは、
「別にいいけど」
と言うと、早速金塊を持って夫婦に渡しに行きました。
「これ、持ってく?」
なつめが金塊を差し出すと、お金がなく、食べ物にも困っていたおじさんとおばさんは大喜びしました。
夫婦が金塊を受け取ろうとしたそのときです。
「あげるのはチャンスだけもな。
それでビジネスをしてみるもな!」
像から声が聞こえました。
「十日で五割、つまりトゴってやつもな」
夫婦はそれを聞いて驚きました。
「そんなあ~。くれるんじゃないんですか?!
私たちは何も持ってないんです。
あなたばっかり宝物を持っているなんて不平等じゃないですか」
もなかは厳しい顔をして言いました。
「上野さんも言ってるもな。
この世界は不平等なものもなよ。
嫌なら受け取らなければいいもな」
夫婦は腹を決めて、その金塊を受け取りました。
その後、その金塊を売ったお金で商売を始めることができ、人並み以上の暮らしができるようになっていきました。
「ほら、やればできるじゃないかもな」
夫婦はお礼に金の首輪をあげると、もな像は満足そうにしていました。
その後ももな像となつめは、困っている人がいれば金塊や首輪を貸し出して、粗利を稼ぎました。
町の貧しい人たちは、そのおかげで助けられました。
けれども、誰も、もな像と目を合わさなくなっていきました。
もな像は言いました。
「なつめ、どう思うもな~?」
「悪くないと思う。
実際助かる人もいるんだし、これでいいと思う」
なつめがそう答えると、もな像は満足そうに微笑みました。
もな像となつめは、その後も困った人を見かけると、金塊やステッキなど、自分の持ち物をうまくまわしていきました。
今日も、もな像となつめは、その輝きを増して佇んでいますが、いつからか民衆からは
「自分だけ幸福な王子」
と呼ばれるようになっていってしまいましたとさ。
おしまい。
ハイ、今日の元ネタは題名からお分かりのとおり、児童文学の「幸福な王子」でした。
あともう一つ混じっているの、お分かりですか?
ヒントは「トゴ」。
答えは「闇金ウシジマくん」!
昔、私もこっち関係の仕事をしていたことがあるのですが(注:闇金じゃありません)、本気でお金に困っている人がいる一方、浪費のせいじゃないか!?みたいなことも多々あり…
そして、天然お気楽キャラのあんこに対して、もなか&なつめはしんねり系。
ということで、こんなお話を思いついちゃいました。
お楽しみいただけたら幸いですっ!